フリーペーパーの求人広告欄を見て、時給の良い仕事だし、名前もよく知った会社だしと思い、応募しました。それまでは、内職三昧の日々で、どんながんばっても、月に５０００円も稼げればいい方だったので、時給８００円なんて、もう、お金欲しさに飛びつきました。

初めはよかったんです。サンプルの水をお勧めするだけの発信業務だったので。しかし、そのサンプルが、健康食品になり、電話先のお客さんが「それを飲んで、体調が悪くなった」とか言われると、ものすごく、悪い気がして、お勧めしたくなくなって、トークも暗くなりました。さらに、ノルマが課せられるようになり、なかなか成績が上がらず、次第に、ストレスを感じるようになりました。そんなある日、福岡で、大雨が降っているというニュースが流れている中、その福岡への発信でセールスをすることになりました。電話に出た人が、「今から、避難をします」とか「雨がひどくて、それどころじゃない!」とか苛立っておられることがよく伝わってきて、上司に「今日は、福岡へは、電話をかけたくありません」と、言いました。しかし、それは、聞き入れてもらえず、電話をかけたくなかった私は、かけるふりだけしました。当然、成績はガタ落ち。上司から、「取ろうと思ってかけないから、とれないのよ。」と、叱られ、ほとほと、嫌になりました。それから、電話をかける自分の中には、罪悪感が沸々とわきでて、とうとう、顔面神経痛になり、耳も聞こえにくく、ついには、声も出なくなりました。残念ながら、わずか２ヶ月で会社を辞めることになりました。

とにかく、時給が８００円というのは、鹿児島の賃金では、高い方でしたので、お給料を考えると、毎日、いくら稼げるかを計算しているときは、良かったです。
しかし、やってることは、押し売りのようなことで、自分自身があんまり飲みたくない健康食品を他人に勧めるなんて、私には、無理な話でした。
相手の事を考えず、一方的にセールストークして成績が良ければ、それでいいと割り切れたなら、今頃、お金持ちになれていたかもしれませんが、それが私には、できませんでした。

入社して、研修期間が４か月ありますが、１か月ぐらいは、電話をかけずに、トークの練習をさせてほしかったです。
いきなり、トークをしなければならず、緊張がなかなかとれず、いきなり電話口で怒鳴られたりすると、委縮してしまい、声もでず、それがストレスになっていくので、
やはり、練習は、たくさんした方が良いと思います。お手本も聴かせてほしかった。また、上司についてですが、クーラーの温度を下げ過ぎるので、「ジャンバー」を着たり、ひざ掛けをしないと、寒くてたまらなかつたです。上司がいない時に設定温度をあげておくのですが、上司が入ってくると、「馬鹿じゃないのか?　こんな設定温度上げてからに!」と、怒鳴りまた、下げるの繰り返しで、体の調子が悪くなって困りました。