経営者の方から勤務してみないかとありがたいことにお声をかけていただきました。確かに残業等も多かったですが非常にやりがいを感じ、充実した日を過ごしていました。しかし、人事評価がはじまり、これまでの職場間の人間関係がギクシャクするようになりました。

良かった点としては、利用者さんのことを第一に考え、少しでもその人が人間らしく、なおかつ快適に暮らしてもらおうと職員ひとりひとりの意識が高かったように思います。具体的に挙げると身体拘束の禁止。認知症があり。徘徊する高齢者に対して、玄関等の鍵を鍵をかけるのではなく好きなように徘徊させ、職員は高齢者が疲れて助言を聞き入れてくれるまで見守りに徹するなど、今でも素晴らしい介護をしていたなあと振り返ることがあります。その他、内容等に関しても周囲の同業者と比べても一目瞭然ですし、周囲の同業者からも一目おかれ るような会社だったとおもいます。残念な点としては、職場としては、とにかく新しいことを積極的に行おうとするのはいいのですが、職員の力量がそのテンポについてこれない状況でした。当然、離職率も高かったです。そんな状況に人事評価を取り入れてしまったので、職員の不満が爆発。さらに職員の関係がギクシャクするようにもなりました。よい点をのばそう。あるいはよい点を持つ職員の言動を真似して、さらにレベルアップを図ろうという思いもあったように感じていますが、それよりも悪い所に焦点があたってしまい、その悪い点についての話し合いがメインになってしまう所が残念でした。

介護の仕事ということもあり。高齢者の方からアリガトウと言われると本当に嬉しかったです。また、自分の関わった利用者さんの健康状況や身体状況などがよくなったりすると自分のように嬉しく感じました。中には、性格の悪い人や信頼関係がなかなかつくれない高齢者。もう何年も入浴していない高齢者。認知症がひどく借金をしたことを忘れてしまったり、不必要な物を買わされ、借金の取り立てをされる高齢者など、色々な方に出逢い、いろいろな経験をさせてもらいました。

人事評価をするとしても、それは職員全体に行うわけではなく、後に重要なポストにつくべき人を誰にするかという視点で取り組めば、もっと良い方向にいっていたのでないかと感じている。評価をされ、それで管理職になるぐらいの器であれば、給料をおおめにかければ、周囲の職員も納得してくれたのではなかろうか。職員全員が常に向上意識を持ち続けるようにさせなくてはいけないというくらいの給料は、今の介護の現場では支払うことはできないし、社会や他の専門職からの認識も低いわけで。あとは40歳以上で主任級まで昇格しないとそれ以上の昇格は望めないというのも残念でした。年配の方でも意欲があり。このような介護をしてみたいという意欲のある方もいましたしね。