大学卒業後、就職浪人を一年してしまい、新聞広告で選んだ仕事です。もともと、警察官か自衛官になりたかったのですが、母親に大反対され、民間なら文句はないだろうと開き直って就職した会社です。安全に貢献できる仕事したかったからでもあります。

途中入社ですから、最初は支社の事務職でした。しかし、これが以降の自分に非常に役に立ちました。なぜなら、末端で仕事をすることで、会社の仕事内容が全て解り、どのような対応をすべきかも覚えることができました。その後、本社勤務となりましたが、その知識は大変役立ちました。そして、本社で３年間経験したのが、株式課という部署でした。持ち株会の管理がメインの仕事ですが、細かい株式状況をトップに報告する仕事もあり、株式というものをしっかり覚えることができました。今でも、株式売買ができるのは、この頃の経験のおかげです。
このトップと接していたことが功を奏し、新商品の開発に抜擢されました。女性で工学部出身という履歴が役に立ちました。そのときに、作り上げたシステムは今でもその会社のメイン商品となっています。商品を作りあげると、次に待っていたのは、消防設備の設置とメンテナンスに関する仕事でした。ここでも、工学部出身であることから消防設備の資格も取得でき、長くこの職場にとどまることになりました。外に出る仕事ですので性格的にも合っていたようで、お客様や消防署の方たちとも親しくさせて頂きました。その後、内勤になりお客様サービスセンターで苦情などを受ける部署に配属になり、どうもなじめない日々を送っていた頃、結婚することになり退職しました。

新商品の開発をしていた頃は、産みの苦しみも味わいましたが、これが商品化されれば日本の安全に対する意識も変わるという思いがあり、とてもやりがいを感じていました。
また、消防設備関係の部署では、いかに防火が必要かと言うことを身をもって体験しました。ですから、消防設備の設置には、絶対に妥協をしてはいけないと、心に決めておりました。そんな対応がお客様や消防署の方たちに解って頂けて、名指しで依頼を頂いたこともあります。かなりきつい仕事でしたがやっていて良かったと思えました。

改善点は思いつきませんので、良った点を記します。商品開発の結果、商品化されたシステムは一般社会に受け入れられました。防犯の役にも立っています。鍵さえ掛けておけば大丈夫という日本の安全神話はもう崩れています。簡単に空き巣に入られ、強盗が侵入してきます。しかし、システムが導入されているというステッカーがあるだけでも、犯人は躊躇するようで、両隣が侵入されたのに、その一軒だけ無事だったという話も耳にします。作って良かったと思える時です。
防火に関しても、ホテルなどに宿泊した際に、つい非常口を確認しています。また、昨今は一般住宅への火災センサーの設置が義務づけられましたが、夫の実家なども自分で設置することができました。普段の火の取り扱いにも、気を付ける習慣ができています。