ハローワークで紹介してもらいました。事務職を探していたので、すぐに応募しました。長いこと、製造業で生産管理や、品質管理の仕事に携わってきましたが、だんだん目が悪くなり、体力も落ちてきたので、事務の仕事なら大丈夫かと思い決めました。

運輸会社なので、一般事務とは言っても、普通の会社のような事務ではありませんでした。支店長がとても昔風の人で、社員はみな支店長のご機嫌をとり、機嫌の割る時は、ピリピリしたムードの中で仕事をしなければならずとてもやりにくかったです。支店長にはお気に入りの事務員がいて、朝は、その人にはデレデレとしてお茶を入れてもらっていました。今時珍しく、社内で喫煙ができ、みんな煙草を吸っていました。支店長が女子社員を、苗字ではなく、下の名前を呼び捨てで呼ぶのがとても嫌でした。これってセクハラの一種ではないかと思いました。支店でょうが追いに入りの女子社員を支店長室に呼び、ソファで並んで座り、パソコンを使っているとき、くっつきすぎではないかと思うほど、顔を寄せ合っていて、驚きました。新入社員は、掃除、お茶当番があり、それがとても負担に感じました。特に支店長にお茶を入れるときは、支店長の好みやその日の気分で入れるお茶が違うので、みんな嫌がってやりませんでした。お気に入りの女子社員がいつも支店長のお茶を入れていました。時には「○○!!蒸しタオルもってこい！！」と、まるで自分の家来のように社員を使うのがとても嫌でした。今の時代にまだこんな上司がいるのかと驚きました。

やりがいは、ドライバーさんが頑張って荷物を配送してきた伝票を間違えないようにパソコンに入力したり、ドライバーさんが配達しやすいように、伝票を地区ごとに並べたりすることでした。私たちがパソコンに入力したものはすべてドライバーさんのお給料にかかわってくるので、間違えることなく、きちんと入力をしなければならない事でした。長距離のドライバーさんには、心から、「お疲れ様でした」とねぎらい、近場のどらいばーさんにも、顔を見るたび「お疲れ様です」と、心を籠めて話しかけました。

支店長が普通の人だったらもっと仕事のしやすい環境だったと思います。何しろ毎日気分が違うので、私はびくびくして仕事をしているときの方が多かったように思います。言葉遣いには特に気を付け、ちょっとでも機嫌を損ねると、他のみんなにもとばっちりが行くので、とても気苦労が絶えませんでした。ベテランの社員さんたちは扱い方を多少わかっているようでしたが、私が入社した時は、面接のときから、個人情報を詳しく聞き、「法令順守」という言葉を知らないのかと、思うくらいコンプライアンス違反な発言をする上司でした。この上司ともっと上手に付き合える強さがあれば仕事中にびくびくせず、楽しくやれたかもしれないと思いました。他の女子社員の先輩達とももう少し仲良くなれればよかったと思います。