広告代理店の関連会社で、デザイン会社に勤務していた時のこと。
インターネット導入に際し、自社のホームページデザインや更新を行っていたが、尊敬していた営業担当者が辞め、仲間同士で新しい会社を設立することを知りました。尊敬し、相談にのってくれてた人がいなくなることに、非常に心細く思って仕事をしていましたが、自分もステップアップしたいと思い制作会社を退社。その際、その方に「仕事を手伝って欲しい」と誘って頂いたことが切っ掛けです。

「システム構築」という、自分にとってはハイレベルの会社でしたが、私の担当はシステムとは関係なく、カタログ制作などの、自分の今までやって来たエディトリアルデザインなどのスキルを活かす仕事をさせてもらいました。立場はアルバイトでしたが、業界の諸先輩方と仕事をするとてもいい機会に恵まれました。
フリーのイラストレーターさんがそのフロアに間借りしていたこともあり、「フリーランスの心得」のようなことも教えて頂きました。フリーランスになったばかりの自分にとっては心強い言葉でした。
それに加え、WEB制作を改めてちゃんと勉強することもできました。
新しいソフトがどんどん発売される時代で、初期の頃からずっとWEB制作をやってきた方に教えてもらいながら、自分の知識の乏しさやレベルの低さを痛感しながらも丁寧に教えて頂き、和気藹々と働くことができました。
今自分がフリーランスでWEB制作の仕事ができているのも、この会社で学ばせてもらったことがとても大きいです。〝WEb師匠〟から基本を、ほんの一部かもしれませんが学ばせて頂きました。どの方も業界トップレベルの人達が集まって作った会社だったので、見習う、教えてもらうことだらけでした。
〝WEb師匠〟は新しい地でまた仕事をしておられますが、何年経っても社長とは笑顔で話せるし、尊敬していた営業の方は独立されています。一緒仕事をさせていただいた人達の背中を追いかけるように、今自分も仕事させてもらってます。

体調を崩してそれまでの会社を辞めたこともあり、体調の気遣いもしていただきました。
新しい分野、そしてレベルの高い人と一緒に仕事をするという恵まれた環境だったと思います。社員ではないけれど、その場に自分も参加できていることに喜びを感じながらも、少なからずこれまでの自分の仕事をみとめて声を掛けていただいたので、それに応えようと必死でした。
体調悪くても相談に乗ってくれましたし、「いいね」などの仕事の評価をしっかり言葉でしてくれたので、安心感と共にやり甲斐も出てきました。

残業になるとバスの時間がないため自転車で通っていましたが、雨が降っても、雪が降っても帰りは送って頂きました。本当に有り難いです。多くの制作会社が街の中心部に会社を作っている中で、あえて〝ちょっと離れた場所で〟という理由でその場所にしたのですから、そこでなければ出来ない仕事も多かったのでしょう。
できればもっともっと勉強したいことがあったのですが、仕事が一段落したところで私のアルバイトも終了しました。
自分から「もっと働かせて下さい」と言えるほどの自信やキャリアもなく、おこがましい気持ちがありました。それから、いつか自分もこの人達のように「自分の名前」で勝負できるようなデザイナーになりたいと思うようになりました。フリーランスのスタート地点です。