前に勤めていた会社を退職して、市のハローワークに職探しで通っているときに端末の求人案内でその仕事を見つけました。
初任給がほかの仕事と比べると高かった点、自宅から車で２０分ぐらいなので通うのに便利な点から選ぶことにしました。

従業員１０人の小さな印刷会社でした。人数が少ないということもあって、社員同士の仲は良かったです。また、社長も職人気質で厳しかったですが、一番年下の私をかわいがってくれました。社員旅行やゴルフ、飲み会などが頻繁にあって楽しかったです。
給料は初任給で３０万円ぐらいでした。ただ、給料の内訳が基本給１５万円でその他の手当てを足して総額３０万という設定だったので、ボーナスの額などは基本給を基準に計算されていて少なかったです。また、完全固定給で残業・休日出勤をしても毎月同じ給料でした。会社の面接では、残業は平均一日１，２時間、土曜出勤も時々あるとのことでしたが、いざ働き始めると毎日７時前に出勤し、帰りは２１時を回ることがほとんどで、土曜日も毎週出勤、時々日曜日の出勤もありました。出勤時間が３００時間を超える月もよくありました。本当に毎日、朝起きてすぐに会社に行って、会社から帰ってすぐに寝るというような生活の繰り返しでした。休みの日も何かをする気力がなく、寝て過ごしていました。
最初は自宅から通っていたのですが、行きと帰りで１時間かかることや、疲れて車を運転するのも危険だと感じたことで、半年ぐらいで会社の近くの徒歩圏内のアパートに引っ越しました。

仕事の内容は、とても大変でしたが、技術職なので上達する喜びがありました。
印刷機にセットする紙を台の上に積むのですが、縦横１メートルを超える紙を５００枚、１０００枚と持って、空気を入れて捌いて台に積む作業はすごい肉体労働です。慣れてくると腕力もついて技術も上がるのでサクサクと積むことができて面白かったです。
また、印刷のためにインクの配合をするのですが、指定されたどんな色でも作ることができるようになったときは嬉しかったです。
他にも機械のメンテナンスで工具の扱いや仕組みについても詳しくなりました。

中小企業で経営も厳しかったとはいえ、基本給、残業代、休日出勤などの給料の面が会社の都合のいいシステムにされていたことが残念です。いくら働いても給料が同じというのは、会社側はいくらでも同じ給料で働かせられるので、せめて１か月の労働時間の上限を決めてほしかったです。工場長は毎日５時３０分に出社して機会を温め、毎晩９時過ぎまで働いていましたが、見ていて体を壊すのではないかと心配でした。
また、一日のノルマが高く機械を止める余裕がないので、咥えタバコで作業、印刷中に立ったままコーヒーを飲むぐらいの休憩と、昼休みも交代で４０分ずつというのも残念でした。
労働環境の悪条件から離職率が高く、私の入社した後に２０人近い人数が３か月以内で退職していきました。