インターネットの求人サイトを見て。猪苗代では一番有名なホテルと姉妹提携している老健施設で、事務員を募集していたので、事務ならできると思い、応募しました。介護は全くの未知なる世界でしたが、かねて、介護の資格もいつか取りたいなあ、という程度の思いはあり、事務員の仕事を通してでも、介護の施設にかかわれたら自分自身にとってのプラスになるとも思いました。

事務員として入り、２か月は、新しいことを覚え、それなりに充実し、毎日楽しく出勤しましたが、２か月を過ぎたころ、それまでいた通所（デイケア）ではなく、入所の方へと異動を命じられました。新しい仕事は、介護職員の手が回りきらないところ、つまり、入所者の洗濯ものの仕分け、入浴のための洋服の準備、冬場は灯油ストーブの灯油給油などをすることでした。最初は慣れない仕事に戸惑いましたが、慣れてくるに従い、入所者の顔と名前が一致し、入所者の方から声をかけてもらうことも増え、事務のときにはなかった楽しさを感じるようになりました。また、二人でやる仕事だったので、パートナーとの相性は大事なことですが、とても気の合う年配の女性だったので、仕事自体、全く苦にはなりませんでした。介護職員は、その仕事量ゆえに、傍らで見ているとその人数ではいっぱいいっぱいに見えました。といって、新しい職員が入るわけでなく、辞めていく職員も後を絶たず、残された職員はますます仕事量が増える、という悪循環に陥っていました。私自身はそれほど大変ではありませんでしたが、傍らで見ているのはつらいものがありました。介護職員の給与がそれほど高くないこと、重労働であること、などが介護職員離れの要因だと思いますが、どうにかならないものかと思います。

私の仕事は単調で誰でもできる仕事ですが、入所者ともかかわれるという点では、やりがいや楽しさもまたありました。ただ、介護の資格があるわけでもないので、あまり深く入所者とかかわることもできず、そういう点では歯がゆさを感じました。介護の資格や勉強をした上で、裏方の仕事をすればよりよいと思います。